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原題 Mars: The Next Frontier
著者 Rod Pyle
分野 宇宙工学
出版社 Andre Deutsch
出版日 2016/8/4
ISBN 978-0233004921
本文 バイキング号が史上初の火星着陸に成功してから40年の今年、欧州宇宙機関(ESA)は火星に向けて人工衛星を打ち上げる予定になっている。インドは2014年に火星の軌道に人工衛星を乗せることに成功し、ロシア、中国、日本も同様の目標を掲げている。

現在火星では、NASAのキュリオシティとオポチュニティの2機のローバー(探査車)が活動していて、信じられないような発見を繰り返している。古代の川、池、谷などを地図にすると、昔は生命を維持できたのだろうと思われる地形が見えてくるし、キュリオシティは既に目標地点に到達していて、1年以内には生命の痕跡もしくは前兆を見つけるのではないかと期待されている。

有人ミッションの準備も既に始まっている。NASAでは2030年代までに人間を火星に送り込む計画を立てている。本書ではスペースクラフト(宇宙機)の設計から人体への影響まで、有人ミッション計画が直面している多くの課題についても論じる。

初めて公開される写真、地図、スケッチ、担当者による手書きのメモといった資料も多数掲載されており、最新の火星探検の様子や情報を知ることができる。