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原題 Connectography: Mapping the Future of Global Civilization
著者 Parag Khanna
分野 国際政治/社会学
出版社 Random House
出版日 2016/4/19
ISBN 978-0812988550
本文 心の中に世界地図を描いてみよう。そして、すべての国境を消し、地域を繋ぐ新たな線を描き入れてほしい。新たな線は高速道路、鉄道、運河、インターネットケーブル、電気などを表している。それが「コネクトグラフィー」だ。

人間は地球を再構成した。メガシティの急増とともに、輸送機関、エネルギー、通信インフラには、いまや最高10兆ドルが投じられている。そして、世界規模のネットワーク文明が生まれたのだ。

グローバルストラテジストである著者は、メガシティは新興グローバルネットワーク文明を通じ、国境よりも一連の流通システムであるサプライチェーンを巡る競争を行っている、と指摘する。ウクライナからイラン、モンゴルから北朝鮮、パナマシティからドバイ、北極圏から南シナ海というように、21世紀の紛争がパイプラインとインターネットケーブル、先進技術と市場アクセスを巡る主導権争いであることを説明し、軍が国境と同じようにサプライチェーンを守るためにどう配置されているのかも解説する。

本書を読めば、急速かつ前例のない変化が地球のあらゆる地域に影響を及ぼしていることが具体的に理解できるだろう。