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原題 The Black Box Society: The Secret Algorithms That Control Money and Information
著者 Frank Pasquale
分野 社会/テクノロジー
出版社 Harvard University Press
出版日 2015/1/5
ISBN 978-0674368279
本文 もし仕事やプライベートで閲覧したインターネットの履歴や、ウェブサイトに入力した個人情報が誰かに監視・流用されていたら? あり得ない、守られていると信じたいけれど、不安は払拭しきれないのでは?

事実、特定のアルゴリズムを使えば、どんな企業の評判も簡単に操作できるうえ、一国の経済を動かす力さえ生み出せるのだ。私たちは、シリコンバレーで働くIT技術者やウォール街で活躍するエリートビジネスマンには、中立的かつ成熟した判断力が備わっていると思い込み、信じたがっているが、内部通告や数々の法廷闘争によって、彼らの驚くべき実態が白日の下に晒されている。

利己的で杜撰な情報管理や操作は、今や日常茶飯事だ。それも法律や守秘義務という名の下に簡単に暗号化され、厳重に守られているのだから厄介である。巨額の罰金を科しても、根本的な解決にはならないだろう。

著者は本書において、利益への欲望がどれだけ情報の悪用に結びついてきたかを暴露するとともに、いかにして膨大な機密データを制御すべきかを論じていく。

IT技術は今や、個人やビジネスでの利用にとどまらず、公共の社会システムにも深く入り込んでいる。その実態を知っておいても損はないだろう。