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原題 Should We Eat Meat?: Evolution and Consequences of Modern Carnivory
著者 Vaclav Smil
分野 食/科学
出版社 Wiley-Blackwell
出版日 2013/5/28
ISBN 978-1118278727
本文 欧米や欧米の食習慣を取り入れた日本などの国々では、「肉食」が主流だ。高級レストランからファストフードまで、多くの飲食店で牛肉、豚肉、鶏肉を使ったメニューが供されている。肉を食べることはタンパク質などの栄養素を人体にもたらす、とくに身体の成長には不可欠な行為だ。しかしながら、とりわけ先進国においては、その過剰な摂取による肥満や生活習慣病の増加が問題視されている。さらには、食肉生産過程における環境汚染、感染症の蔓延、家畜に対する非人道的な扱いなどのデメリットを指摘する声も大きくなりつつある。

本書では、そんなさまざまな問題をはらむ「肉食」について、栄養学、考古学、動物科学、環境学、経済学などの角度からアプローチ。人類にとって正しい肉食、食肉生産のあり方を考えるヒントを提供する。

著者はカナダ、マニトバ大学環境学部名誉教授。本書は2015年4月にビル・ゲイツ氏が自身のブログで詳しく紹介したことでも話題を集めた。