原題 | Wood, Whiskey and Wine: A History of Barrels |
---|---|
著者 | Henry H. Work |
分野 | 歴史/食文化 |
出版社 | Reaktion Books |
出版日 | 2014/11/19 |
ISBN | 978-1780233567 |
本文 | 樽は地味だ。見かけも、保存や熟成、運搬という用途も。そこにこれほどの歴史と物語が詰まっていたとは、誰が予想しただろうか。 北欧のケルト民族に生み出された2000年前から、油や火薬の運搬にも重宝された大航海時代。そしてプラスチックや金属の加工技術が発展してもなお、一流のワイナリーやウィスキー蒸留所で愛される現在――。本書は歴史を丹念に綴りながら、文明の進化と世界の拡大を支え続けた陰の主役として、樽の存在を浮かび上がらせる。 なぜ熟成にはオーク樽が向いているのか、木材によってどのような違いがあるのか――など、一流の樽職人ならではの著者の解説は、愛飲家の会話に花を添えること間違いなし。価格崩壊によりステンレス樽で寝かせたワインも売られる現在、本物の樽に込められた職人芸はもっと知られてしかるべきだ。 |