原題 | Does Altruism Exist?: Culture, Genes, and the Welfare of Others (Foundational Questions in Science) |
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著者 | David Sloan Wilson |
分野 | 科学/社会/経済/宗教 |
出版社 | Yale University Press |
出版日 | 2015/1/13 |
ISBN | 978-0300189490 |
本文 | 何世紀にもわたり、哲学者や心理学者、進化生物学者を悩ませてきた問題「地上生物のあいだに生来の利他主義はあるか?」に、世界有数の進化論者であるデイヴィッド・スローン・ウィルソンが挑む。 利他主義の存在を理解するカギは、集団の集まりである社会的組織のなかで利他主義が果たす役割を理解することだと著者は言う。何十年にもわたる論争の末、機能的集団がどのように進化してきたかについては、進化論者は大筋の一致を見る。しかし、利他主義は存在するものの、社会的行動を理解するうえで必ずしも中心的役割を担っているとはいえないということが明らかになった。 ウィルソンは、1つの理論に基づいて、宗教や経済、それ以外の日常生活における利他主義と集団レベルの機能構築について調査する。そして、利他主義が絶対的な善ではなく、病理学的帰結に至る可能性もあることを示してみせる。さらに、集団的機能に焦点を当てることによる利他主義を超えた社会理論によって、実質的な人間のありようを向上させる可能性も示す。 本書は、古い論争を終わらせ、今後何十年にもわたる新たな論争の主役になるだろう。 |