原題 | Tatort Gehirn: Auf der Suche nach dem Ursprung des Verbrechens |
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著者 | Hans J. Markowitsch |
ページ数 | 261ページ |
分野 | 神経心理学/精神生理学 |
出版社 | Campus |
出版日 | 2007/8/13 |
ISBN | 978-3593382944 |
本文 | 連続殺人犯・性犯罪者・無差別殺人者---彼らの大半が男性であり、その多くには脳に生理学的障害が見られる。凶悪な犯罪行為は、多くの場合、前頭部の脳に生じたガン性の病変や事故による前頭葉の損傷、あるいは遺伝的な神経伝達物質の分泌障害によって条件付けられているのだ。本書によれば、暴力とは、生物としての人間が進化の過程で獲得した生存のための特性である。だが、そこに脳の器質的障害が加わり、さらに戦争などの社会的圧力や幼児期の生育状況・教育などの環境要因が作用することによって、人は自分の感情や暴力衝動に対する制御能力を失ってしまう。そして、「犯罪者の脳」が生まれるのだ。 筆者たちは、人間の脳、遺伝形質および物質代謝の異常に関する医学的・生理学的所見を数多く紹介し、明確かつ客観的に解説している。本書では、犯罪者の事例が、単なる興味本位ではなく医学的観点から冷静に分析されている。 |