原題 | Music For The End of Time |
---|---|
著者 | Jen Bryant, Beth Peck (illustrator) |
ページ数 | 32ページ |
分野 | 絵本(対象年齢9〜12歳)/ノンフィクション |
出版社 | Eerdmans Books for Young Readers |
出版日 | 2005/9/15 |
ISBN | 978-0802852298 |
本文 | 第二次大戦中、フランスの作曲家オリヴィエ・メシアンはドイツ軍に捕らえられ、収容所へ送られる。メシアンはナップサックの中に楽譜を入れ、収容所に持ち込んでいた。それ見たドイツ軍将校は、彼に静かな場所(トイレの横の机)で作曲を続けることを許可する。「誰かがこの曲を聞くことがあるだろうか?」と思いながらも、ナイチンゲールの鳴き声に着想を得たメシアンは、作曲を続けた。 あるとき、新しく入所してきた捕虜の中に楽器の箱を持った3人の男がいた。彼らはそれぞれバイオリン、チェロ、クラリネットの奏者だった。希望を抱いたメシアンは、『世の終わりのための四重奏曲』を完成させる。 そしてついに、ある夜、ドイツ軍が用意してくれたおんぼろピアノでメシアンも参加し、カルテットは演奏を果たす。病気で動けない者もドイツ兵に担架で会場まで運ばれ、収容所には美しい音楽が響き渡った。 1941年1月15日、ゲルリッツの強制収容所「スタラグVIII-A」で実際に起こったことを基にしたこのストーリーで、本書は、作曲することを許した将校をはじめとするドイツ人が示した「敵への優しさ」といった温かい人間性を描き出している。 極寒の中で5000人が聞いたこのコンサートのことを、メシアンは後に「私の作品がこれほどの集中と理解をもって聞かれたことはなかった」と語った。 |