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原題 Dealing Daily with Dementia: 2000+ Practical Hints & Strategies for Carers
著者 Angela Caughey
分野 暮らし/健康/認知症
出版社 Calico Publishing Ltd
出版日 2013/10/7
ISBN 978-1877429071
本文 WHOによると2012年における世界の認知症患者数は3500万人で、2030年までに倍増すると見込まれている。しかし、認知症になっても人目を避けたり、孤立したりする必要はない。患者は発症前と変わらず人格を持った人間であり、手遅れになる前に自分の身に起こっていることを知ることが大切だ。

著者は名付け親が認知症患者になったことで、認知症では知力の一部(あるいはかなり)を損なうが、人格を持った人間であることに変わりないことを学ぶ。それから30年後、今度は夫がレビー小体型認知症になり、12年にわたり自宅で介護。その間に、同病の夫を持つ人々のサポートグループに属し、お互いの体験を語り合う機会を得る。

本書には、著者夫妻のほかに、支援グループや患者本人の経験、さらに、同様の問題を抱える知人から得たり、自ら調べた情報、また、辛いときこそ役立つジョークも載っている。法的、経済的な問題や、幻覚など認知症特有の症状が出たときの対処法、生活環境をどう整えるかも詳述している。

本書は指導書ではなく、介護の在り方は人それぞれだが、本書にある2000を超えるヒントや方策は、患者本人や介護者、介護職にとって大いに役に立つだろう。