原題 | Un jeune loup bien éduqué |
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著者 | Jean Leroy(文)、Matthieu Maudet(絵) |
分野 | 絵本 |
出版社 | L'Ecole des Loisirs |
出版日 | 2013/9/26 |
ISBN | 978-2211215688 |
本文 | 小さなオオカミくんはとてもお腹が空いている。でも、両親にきちんとしつけられたので、獲物を前にしても本能の赴くままに食らいついたりはしない。両親の教えは「どんなときでも相手の最期の望みをきいてあげること」。律儀な主人公は獲物を捕まえると、食べる前にきちんと相手の望みをきく。「何かお話を読んで」とウサギくん。「音楽が聴きたい」とニワトリくん。まじめな主人公は望みを叶えてあげるために獲物をその場に残し本や楽器を探しにいく。「ここで待っているよ」と獲物たちはいうが、当然ながらこっそり逃げてしまう。「みんな嘘つき!」主人公はプンプン怒る。 しかし3番目の獲物は主人公と同じくらい礼儀正しい小さな男の子だった。「絵を描いて」というのが最期の望み。男の子は両親に「約束は必ず守ること」と教えられていたので、主人公がスケッチブックを取りにいくあいだにも逃げずに待った。主人公の小さなオオカミくんはそんな少年に気を良くする。 絵の出来映えがとても良かったので、少年は友達にもそれを見せたいという。小さなオオカミくんは少年の家に招待されるが、なんとそこに居たのは……。 西洋でオオカミといえば狡猾さを象徴する動物だが、この絵本の主人公はまじめ一徹の小さなオオカミくん。そのギャップがとても楽しい。結末には少し驚かされるが、あえてクールにまとめているところがフランスらしくて興味深い。 |