原題 | Payback: The Case for Revenge |
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著者 | Thane Rosenbaum |
分野 | 社会心理学/法律 |
出版社 | The University of Chicago Press |
出版日 | 2013/4/10 |
ISBN | 978-0226726618 |
本文 | 我々はオサマ・ビン・ラディンの暗殺を「正義」と呼んだ。だがそれは「報復」とも呼べる行為ではなかったか? 現代社会において、我々は正義を求め、報復を野蛮な行為として否定する傾向がある。しかし、報復を求めることは人間の根本的な感情であることを忘れてはならない。事実、報復をテーマとする書物や映画、絵画などの芸術は常に我々を夢中にさせる。それらは公平さを求める我々の欲求のはけ口ともいえるからだ。しかし、実社会において報復をどのように求めたらよいかわからない我々は、代わりに「正義」を要求する。そう、事実を言えば「正義」と「報復」に違いはないのだ――。 本書では、「正義」の名のもとに行われた数々の「報復」の歴史的・文化的事例や、世界の報復の慣習を挙げ、人間がいかに報復を求める生きものなのか、私的制裁を制するためにどのように法による公的制裁の制度が作られてきたかを説く。法律学者である著者はさらに、刑法における被害者の立場が注目される昨今、被害者やその親族らの道義感を納得させることが法律の真の役目であり、そのためには、一般市民がより深く司法に参加するべきであると啓蒙する。 |