原題 | Costumes de cirque |
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著者 | Serge Airoldi |
分野 | 美術/芸能 |
出版社 | Editions du Rouergu |
出版日 | 2011/4/27 |
ISBN | 978-2812602214 |
本文 | フランスではサーカスは一つの完成した芸術として広く認められている。1985年には国立サーカス芸術センターも設立され、その他数々の教育機関でも非常に幅広い分野(音楽・演劇・ダンス・具象芸術)をカバーし、多才な人材を輩出している。日本では以前、サーカスというと子ども向け、または大衆的な娯楽というイメージが強かったが、近年、カナダのシルク・ド・ソレイユやフランスのジンガロなどの来日公演とその成功により、大人も楽しめる総合芸術として定着してきた。 サーカスの魅力の一つは、その華麗なる衣装だ。本書はサーカス史を軸に、その衣装の変遷を詳しく紹介する。 現代サーカスの歴史は18世紀のロンドンまで遡る。アーティストも実に種々様々で、曲馬師、空中ブランコなどの曲芸師、猛獣使いや調教師、道化師などが、舞台を華やかに彩る。男性は肩章・金ボタン付きの軍服調コスチュームを身にまとい、女性は露出度の多いセクシーな服で観客を魅了する。本書では、総スパンコールの派手なものから、ちょっと時代遅れの古着まで、さまざまなサーカス衣装が網羅されている。中にはクリスチャン・ラクロワなどの有名デザイナーが手がけ、繊細な手作業で仕上げられるクチュールもある。衣装それ自体がアートなのだ。本書を読めば、サーカスがいかにして今日までイノベーションを続け、人気を保ってきたのか理解できるだろう。 |