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原題 Barca: The Making of the Greatest Team in the World
著者 Graham Hunter
分野 スポーツ/サッカー
出版社 BackPage Press Limited
出版日 2012/2/17
ISBN 978-0956497123
本文 FCバルセロナは、なぜ世界最強のクラブになることができたのか。そして、なぜ世界中から愛されているのか。バルセロナ在住で、長年にわたりバルセロナ担当の記者として活躍する著者が、その秘密を語る。

本書は、2011年UEFAチャンピオンズリーグでバルセロナが栄冠をつかむまでの軌跡から始まる。決勝戦でマンチェスター・ユナイテッドを下したあと、著者が監督のペップ・グアルディオラにクラブの特徴を尋ねたところ、グアルディオラは、自分たちがカタルニャのクラブであることに誇りを感じていることだと語る。もちろんそれだけではなく、バルセロナの栄光に、才能豊かな選手たち、優れた指導者、厳しい練習、熱心なサポーターなどの存在を欠かすことはできない。

家族とともに、アルゼンチンから大西洋を越えてやってきた少年メッシ。ライカールトの電撃解任で監督に就任し、ロナウジーニョ、エトオなどの主力を外すと公言したグアルディオラ。ボールに対する飽くことなき執念を見せる闘将シャビ。表舞台で活躍するスターたちのエピソードから、クラブの経営陣、カンテラと呼ばれる下部組織といった、より深く切り込んだ内容にも触れる。

さらに各章の間には、グアルディオラ就任後の約3年間からピックアップした重要な試合の概要や、アウヴェス、ブスケツ、アビダルなど、その他の主力選手の紹介が挿入されており、現在のFCバルセロナを多方面からとらえられる構成になっている。

一般のマスメディアでは知ることができないような、コーチや選手、クラブ関係者に関する話は、長年FCバルセロナを担当し、このクラブを心から愛してやまない著者ならではといえる。400ページを超える大著ながら、その内容の豊かさ、おもしろさに、つい引き込まれてしまうことだろう。