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原題 Dino Gangs: The New Biology of Dinosaurs
著者 Josh Young, Phil Currie
分野 古生物学/動物学/歴史/考古学
出版社 HarperCollins
出版日 2011/05
ISBN 978-0007413393
本文 7000万年前のゴビ砂漠は、地上最大・最強の捕食動である恐竜の住処だった。高さ5メートル、体長12メートル、体重は4トンを超える最も恐ろしいハンター、ティラノサウルスもこの地を闊歩していた。最もよく知られるこの恐竜が、これまで考えられていたように頭の働きが鈍く、単独行動をしていたというのは本当だろうか?

世界的権威である古生物学者フィル・カリーは本書で、ティラノサウルスの行動に関する伝統的理論の基になった考え方に次々と挑む。6歳で恐竜に魅せられて以来、カリーは、恐竜がどのように生きていたかを解明することに情熱を傾けてきた。そして、40℃の熱暑、激しい砂嵐、違法侵入者の攻撃という危険にさらされながらも、研究チームを率い、科学技術を駆使して、化石に秘められた真実を解き明かしていく。

共著者であるジャーナリスト、ジョシュ・ヤングは、フィル・カリーの発掘調査に導かれ、モンゴルからカナダ、パタゴニア、インドネシア、韓国へと飛び、新たな証拠を発見していく。

本書を通して研究チームの調査の足跡をたどれば、恐竜に対するこれまでの常識は大きく覆されるだろう。