原題 | Field Guide to the Little People: A Curious Journey Into the Hidden Realm of Elves, Faeries, Hobgoblins & Other Not-So-Mythical Creatures |
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著者 | Nancy Arrowsmith |
ページ数 | 336ページ |
分野 | スピリチュアル/神話 |
出版社 | Llewellyn Publications |
出版日 | 2009/10/1 |
ISBN | 978-0738715490 |
本文 | 歴史が始まって間もないころから、「小さな者たち」は世界中のいたるところで人間や動物たちと共存してきた。彼らは陽気で活発、友好的で楽しいことが大好き。しかし、執念深くときには残酷になる者たちもいる。 1977年に出版された同名書籍の新版で、オリジナル版は絶版となっている。昨今のハリー・ポッター人気に伴う、魔法ブームやファンタジーブームにより、本書も再び注目を集めるようになった。 本書では79の妖精や精霊を、その性質により「light elf(白い妖精)」、「dark elf(黒い小人)」、「dusky elf(自然を守る精霊)」の3タイプに分類して解説する。「light elf」(8種)は、良い性質を持つ美しい妖精たちで、自在に姿を変えることができるが、あまり人間の前に姿を現さない。「dark elf」(8種)は、肌が灰色や茶色、黒色などであり、主に地中を住みかとする。ぞんざいに扱うと機嫌を損ね、残忍な行動に出る者もいる。「dusky elf」(63種)は、小川や湖の妖精、木や花の精霊など、自然を守り、その世話をする者たちで、人前によく姿を現す。 3タイプに分類された妖精それぞれについて、まず性質や特徴を説明し、次に、ほかにどのように呼ばれることがあるか、どの地域のどんな場所を住みかとするかについて解説する。そして最後に、その妖精に出会った人間のエピソードを紹介する。 著者は、ヨーロッパのさまざまな民間伝承に登場する妖精や精霊、小人などについて、その姿を歪めることなく、私見を交えず、正確に記述しようとしている。巻末の注や参考文献が充実しており、専門書のようにも見える。英語、ドイツ語、イタリア語で書かれた幅広い資料を読み込み、植物や自然環境について深い知識を持つ著者が執筆した本書は、同じテーマの「妖精事典」の類とは、信頼性において一線を画する。妖精の残酷な側面をも描いた書籍は多いが、本書のように、妖精と人間との性的な関わりについても描写しようとするものは、一般書としてはおそらくまれである。「大人のために」書かれた妖精入門書。 |