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原題 김정은 통일전쟁(金正恩統一戦争)
著者 이영(イ・ヨン)
分野 戦争文学
出版社 북신
出版日 2011/5
ISBN 978-8996609001
本文 韓民族の長年の念願であり、宿願である朝鮮半島の統一をテーマとした時代小説。民族が抱える宿命的な対立、列強の間での半島統一への葛藤を描き出している。著者の経験をもとにしたゲリラ軍の戦闘シーンも壮絶だ。

物語は、金正日が腹違いの弟に狙撃されて昏睡状態となり、軍部が権力を掌握するところから始まる。軍部は金正恩をトップの座につけるべく、北海道に侵攻。日本を人質に取って米国と平和協定を締結し、漸進的な祖国統一を達成することを目標に「金正恩統一戦争」を実行する。

生々しい臨場感とスピード感とともに物語は展開する。果たして、外部の力によらぬ民族同士での朝鮮半島統一は現実なのか、幻想なのか。在韓米軍が撤収した大韓民国のアイデンティティはどうなるのか。そして、日本軍復活や中国の軍事力増強の中で韓国と北朝鮮の運命はどうなるかを予測し、目指すべき統一の方向を示す。