原題 | Sleights of Mind: What the Neuroscience of Magic Reveal about Our Everyday Deceptions |
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著者 | Stephen Macknik, Susana Martinez-Conde, Sandra Blakeslee |
ページ数 | 304ページ |
分野 | エンタテイメント/脳神経科学 |
出版社 | Henry Holt and Co. |
出版日 | 2010/11/9 |
ISBN | 978-0805092813 |
本文 | マジックの歴史を解説したり、そのテクニックを暴露したりする書籍は世に数多あるが、本書は、世界で初めて、認知神経科学の見地からマジックの謎に迫る。 視覚神経学者のSusana Martinez-Condeと、行動神経生物学者のStephen Macknikは、社会で成功を収めたマジシャンの経験を対象とした「神経のマジック(Neuromagic)」と称する共同研究を実施。数年間にわたってマジシャンとの交流を深めたり、自らトリックを身につけたりしたうえで、マジシャンが神経科学者としてもっとも高度な部類に入ることを明らかにした。本書では、この共同研究の成果を、脳神経科学に詳しいSandra Blakesleeが一般の読者向けにまとめている。 トリックが成功する背景には、人間の脳内で注意・認知を司る神経系が、他人の影響を受けやすいほどの脆弱性を有する、という事実がある。共同研究によれば、マジシャンは、トリックを仕掛けながら観客の脳に侵入、自らの動きで脳を巧みに操ることによって、観客の錯視や錯覚を誘発するという。 本書では、複数の事例・実験を基に、トリックが観客の知覚・視覚に及ぼす影響を解き明かす。また、脳や神経の構造・機能を図入りで解説するかたわら、「マジックの種明かし」に当たる話も取り上げる。 |