ブックレビュー ブックレビュー

原題 Tata: The Evolution of a Corporate Brand
著者 Morgen Witzel
ページ数 222ページ
分野 ビジネス/マーケティング
出版社 Penguin Books India(言語:英語)
出版日 2010/7/31
ISBN 978-0670084067
本文 140年以上前に綿貿易の会社として始まったインド最大の財閥、タタ。近年では低価格車ナノを発売したり、ジャガー・ランド・ローバーやコーラス・スチールを買収したりして注目を集め、インド企業の印象を変えつつある。タタグループの事業分野は、鉄鋼、飲料品、化学、ソフトウェア、通信、ホテルなど多岐にわたる。

タタとはいったいどんなブランドなのか? その価値観とは? そして、人々はそれをどう受け止めているのか?

本書はタタ関係者の言葉や豊富な具体例も交えながら、タタの歴史をひも解き、いかにしてタタの評判やイメージが進化してきたか、そのイメージをどのようにして強力なブランドに育て上げたかを解き明かす。

インドにおけるタタ・ブランドの強さは日本企業では匹敵するものがないくらいだ。だが、その強力なブランドも海外では話が異なる。本書では今後インド国外での活動にも重点を置こうとしているタタにどのような課題があるかも指摘している。今後のインドやタタに興味がある人はもちろん、企業ブランドの構築の仕方や企業ブランドの理想的なあり方などを学びたい人にも勧めたい一冊。