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原題 All Things Shining: Reading the Western Classics to Find Meaning in a Secular Age
著者 Hubert Dreyfus, Sean Dorrance Kelly
ページ数 272ページ
分野 人文科学/哲学
出版社 Free Press
出版日 2011/1/4
ISBN 978-1416596158
本文 厳しい時代を生きる私たちに、希望の光を与える意欲作。今、世の中には怒りや悲しみ、喪失感、絶望感といったマイナスの感情が蔓延している。この嘆かわしい状況を打破すべく、2人の著名な哲学教授が西洋の古典作品からの学びを提唱。この世界は輝きに満ちていること、そして、その輝きへの気づきが生きがいのある人生をもたらすことを示す。

本書で議論される古典作品には、文学と哲学がバランス良くミックスされている。とりわけ焦点が当てられているのは、メルヴィルの『白鯨』、ホメロスの『オデュッセイア』、ダンテの『神曲』だ。また、現代の作家デイヴィッド・フォスター・ウォーレスやエリザベス・ギルバートの作品や、最近起きた出来事なども取り上げられ、実に興味深い展開となっている。検討されるテーマは、虚無主義、多神論、一神論、自治など。古代から現代まで、人生観の変遷を追いながら、「今いかに生きるべきか」の手がかりを見出していく。

一般読者を対象にわかりやすく書かれているので、中で紹介される古典作品を読んだことがない人や、専門的な知識がない人でも楽しめる。生きるためのヒントを得られるだけでなく、古典作品を読む、あるいは読みなおす、良いきっかけにもなるだろう。