原題 | At Home With Crazy |
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著者 | Katrina Martin |
ページ数 | 290 |
分野 | フィクション/メンタルヘルス/ヤングケアラー |
出版社 | Milflores Publishing |
出版日 | 2023/12/09 |
ISBN | 978-9718281222 |
本文 | 家族、友情、そして…ゾンビをめぐる力強い物語! ゾンビにハマっているカイトは、ハリエット・スワログ監督の映画にしろ、学校で制作している短編映画にしろ、ゾンビが大好きだ。でも、一人だけ離れたいゾンビがいる——母だ。母は新生児の息子の死から立ち直れず、気分の浮き沈みや不安定な行動を見せるようになっていた。 マニラに引っ越してからというもの、母のことは口にしないまま普通の生活を送ろうとするカイトだが、すぐに大きな問題に直面する。母の奇行だ。母の気分の浮き沈みの激しさは悪化し、カイトと父親、妹はそれに振り回される。 カイトは数人のクラスメートと一緒にゾンビ映画を撮影する。しかし、友達と楽しい時間を過ごしている間も、心のどこかで母親に対する不安を抱えたままだった。 家に帰ったら、母は普通だろうか?今日は“いい日”で、母が台所でチャンポラードを作っている日だろうか?それとも、今日は“ゾンビの日”で、弟が亡くなった後8週間も部屋に引きこもり続けたときのように、また部屋に閉じこもっている日だろうか?あるいは、激怒し、ささいな過ちでカイトや妹のサムを叩くような暴力的な日なのだろうか?そして、父はこの状況にどう対処し、仕事を続けているのだろう? カイトは普通の生活を手に入れることができるのか?それとも、自分もゾンビに変わってしまう運命なのだろうか? 精神疾患を持つ親が親としての責任を果たせないときに生じる母娘間の緊張関係を描いた一冊。主人公は恥ずかしさや屈辱と向き合いながら、自分の強さと愛する力を試される。14歳のカイトの成長を描いた物語。 ストーリーを甘く飾ったり単純化しすぎることなく描き、必要以上に読者の感情をかき乱すこともない。「親の精神疾患に向き合う子どもたち」という重いテーマでありながら、ユーモアも交えつつ小説として読みやすく仕上がっている。 |