ブックレビュー ブックレビュー

原題 Hunt for the Shadow Wolf
著者 Derek Gow
ページ数 256
分野 動物学/自然保護/歴史/民俗学
出版社 Chelsea Green Publishing UK
出版日 2024/03/07
ISBN 978-1915294463
本文 イギリスの自然保護活動において、今、最も注目すべき人物のひとりであるDerek Gow(デレク・ガウ)には夢がある。それは、すでに他国では成功している野性オオカミの再生を、いつかイギリスでも成し遂げることだ。ビーバーの野生保護活動に取り組む中で、オオカミについての実話や神話を耳にするようになったデレクは、かつてこの地を誇らしげに歩き、人々に恐れられ、狩られ、絶滅に追いやられた影の動物――オオカミに想いをはせるようになった。
彼らが姿を消した理由は、他の多くの動物たちと同様に、人間の権力や私欲によるものだった。人間は、彼らを野蛮な猛獣に仕立て上げ、その根絶があたかも文明化の使命であるように考えた。デレクは、考古学やDNA分析、地名、昔話、歴史的証言などを繋ぎ合わせることで、オオカミとの共存における私たちの絶望的な失敗を描き出す。本書は、彼が魅了された、この影のオオカミ(Shadow Wolf)の正体を明らかにしようとする探求の書である。
“美しく作り上げられた、魅力的で耐え難いほど切ない書だ”
――イザベラ・トゥリー『英国貴族・領地を野性に戻す』作者
“寒い冬に、キャンプファイヤーを囲みながら怪談を聞いているような書だ。幽霊たちは火の明かりの向こうにいて、初めて語られる自分たちの物語に耳をそばだてている”
――キラ・キャシディ(イエローストーン・ウルフプロジェクト研究員)