原題 | Red Capitalism: The Fragile Financial Foundation of China’s Extraordinary Rise |
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著者 | Carl E. Walter, Fraser J. T. Howie |
ページ数 | 256ページ |
分野 | 金融市場/中国経済 |
出版社 | Wiley |
出版日 | 2011/2/15 |
ISBN | 978-0470825860 |
本文 | いまや中国の経済成長の勢いはとどまるところを知らないように見える。2007年には、人民元を緩やかに上昇させたことによって中国に資金流動性の波をもたらし、株式市場に中国企業や銀行の名を連ねることで、何千億ドルもの資金調達を可能にした。2008年のリーマン・ブラザースの倒産とその後の世界的金融危機でさえ、中国政府は早々に緊急経済対策を立て、ほとんど影響を受けなかったように見えた。だが、リーマン・ショックは中国指導者たちに劇的な警鐘を鳴らすことになった。 世界的金融危機に対する政府の対応は、不換通貨、非公開の国営事業体への無数の簿外調整、金融の現状において最大の受益者でもある政治的に影響力のある国家のナンバーワン企業たちによる力強い支え、これらの壁の後ろでのみ維持されるような安定性しかない銀行システムを生み出したのだ。 中国は米ドルと国庫と機関債権によって表面上は市場を独占、全速力で前進し、その勢いは止めようがないように見える。しかし、その金融体系を下支えしているのは、実はその持続可能性と成功さえ脅かす恐れのある脆弱な銀行システムなのである。とすれば考えられる答えはどうだろうか。 中国の金融業界で働いてきた2人の著者は、本書で、中国政府が西側と関わる政策を開始して以降の30年間に、どのように金融システムの改革が行われ、形作られてきたのかを詳細に説明している。 |