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原題 The Age of Decay
著者 Shamil Ismail
ページ数 272
分野 世界経済/社会問題
出版社 Shamil Ismail
出版日 2023/09/27
ISBN 978-0639791371
本文 本書は、先進国における少子高齢化がどのようにエッセンシャルワーカーの減少につながり、ついには社会の崩壊を引き起こす可能性があるかを、豊富なデータを示しながら解き明かす書である。
配管工、トラック運転手、医療従事者、農業従事者等、エッセンシャルワーカーは社会を支える基盤を維持する人々である。これらの職業に従事する人々の数が足りなくなると、社会はほころび始める。エッセンシャルワーカーの人数には、社会を維持するのに必要な転換点がある。そしてこの転換点を超えた減少した場合、社会崩壊のサイクルが始まる。インフラの荒廃により都市が壊れ、サプライチェーンの機能不全、需要の減少、課税基盤の縮小により経済成長が妨げられる。
AIの活用や退職年齢の引き上げで問題は解決できないのか。社会的関心が高い様々なトピックを分析しながら、それらが解決策にはならないことを本書は示す。それでは、積極的に移民を受け入れることではどうか。
「少子高齢化が進む先進国」には日本も含まれる。本書には日本を含めた各国のデータが示されており、読めば日本の読者にとって、よりリアルに感じられ問題意識が高まるだろう。
各章の冒頭には「エヴァ」という架空の人物の人生の、その章に絡めたストーリーがあり、読者が内容を自分ごととして捉えるのに役立つ作りになっている。