原題 | Love as a Business Strategy |
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著者 | Mohammad F. Anwar |
ページ数 | 336 |
分野 | ビジネス自己啓発/経営 |
出版社 | Lioncrest Publishing |
出版日 | 2021/04/09 |
ISBN | 978-1544520261 |
本文 | 著者(Mohammad F. Anwar)が23歳で創業した会社Softwayは2015年、業績不振により、会社存続のため全社員の3分の1をリストラした。決してめずらしい話ではない。だが、よくある話だからと言って、それが正しいことであるとは限らない。 リストラ決行後、このままでいいのか?と著者は自問するようになる。 正直なところ、Softwayの企業文化は会社の強みとは言えなかった。当時、現場でも管理職とチームメンバーとの間に対話はなく、チームメンバーが口を出そうものなら罪人同然のような扱いを受ける有様だった。今回はリストラにより会社の存続を維持できたが、長い目で見て、本当にこのままでいいのか?生き残ることだけではなく、どうすれば豊かになれるかも学ばなければならないのではないか? そこで著者は「人」をすべての中心に据えた経営方針への移行に取り掛かった。人間性を取り戻し、「人」を第一に仕事を行うことでより良いビジネスができる。例えば、社員が物理的にも心理的にも気持ちよく働ける環境を整えれば、パフォーマンスが上がり、業績にもつながる。業績の数字を上げることだけが経営ではない。「愛」を自社の企業文化に取り入れること。これこそが、著者が実践し会社を大きく変えた秘訣だった。 もちろん、ここで言う「愛」とは、社内恋愛推進という意味ではない。チームとして良いコミュニケーションを取りながら仕事に取り組むこと、自身の隣にいる人にとって何が最善かを考えること、相手を人として真に思いやることがビジネスの文脈における「愛」である。 本書ではSoftwayが愛を自社の企業文化に取り入れた過程を、著者の過去の過ちも含め赤裸々に綴りつつ、他の企業や団体でも組織内の文化を愛のあるものにしていくためのノウハウをたっぷりと伝授する。 経営に関わる人やリーダ向けのハウツー本ではあるものの、小難しい文体ではなく、表現の率直さから若い人でもとっつきやすい印象。随所に要点をまとめたコラムも掲載されており、読後に要点だけをざっと見返すという読み方もできる。 |