原題 | Mini-Forest Revolution |
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著者 | Hannah Lewis (Author) |
ページ数 | 224 |
分野 | 環境、自然保護 |
出版社 | Chelsea Green Publishing |
出版日 | 2022/05/13 |
ISBN | 978-1645021278 |
本文 | 環境問題に取り組む著者のハンナ・ルイスが本書で提案するのは、空き地や裏庭、見捨てられた土地を「ミニ森林」に変えることによって街に緑を取り戻し、生物多様性を回復しようという運動である。著者は、この運動が個人でも参画できるものであることを強調し、読者にともに実践していこうと呼びかける。 ルイスが提唱する「ミニ森林」は、日本の植物学者、宮脇昭によって主導された「ミヤワキ・メソッド(宮脇方式)」をもとにしている。小さな区画でもこの方式を使えば驚くほどの速さでミニ森林が育っていき、従来のやりかたで植えられた木々よりもはるかに多様な生物をはぐくむことができる。ルイスはなぜミヤワキ・メソッドがこのような成功を収めることができるのかを科学的に説明し、多くの利点を例証していく。ミヤワキ・メソッドは、ヒートアイランド現象で熱をもった都市を冷やし、野生生物の生息地を作り、健全な土壌を築き、二酸化炭素を削減し、花粉を運ぶ動物がやってくる環境を作り出すのだ。 ミヤワキ・メソッドは世界的に支持者を増やしつつある。ルイスは、このメソッドを実践してミニ森林を創出している世界中の人々の活動も紹介してくれる。レバノンのベイルート川沿いのコンクリートの路地にも森林が作られ、インドでは起業家のシュベンド・シャルマが植林事業を手がけ、数多くのミニ森林を作り出している。本書が提唱する革命的な植林運動の最大の利点は、地球温暖化という大問題を解決するために、コミュニティ、学校、都市、そして個々の家庭とあらゆる単位で簡単に取り組めることである。大規模なものでなくても環境問題を軽減することができるこのメソッドで、国や政府に頼るのではなく、人々が自ら行動を起こす気にさせる一冊だ。 |