原題 | Worm |
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著者 | Kevin Butt |
ページ数 | 208 |
分野 | 生物 |
出版社 | Reaktion Books |
出版日 | 2024.01/08 |
ISBN | 978-1789147940 |
本文 | ミミズに代表される蠕虫は驚くべき生物だが、お世辞にも愛されているとは言いがたい。本書は、そんな蠕虫の神秘的な世界に私たちをいざなうガイド役だ。 蠕虫と言えば、細長いぐにゃぐにゃした地を這う生物としか認識されていないだろうが、実際は体長や生態など、種によって驚くほど多様だ。本書では、多くのイラストや写真とともに、さまざまな蠕虫が詳しく紹介される。人間も含めた他の生物の体内に寄生するものもいれば、土壌に棲むものもいるし、水の中に棲むものもいるのだ。 蠕虫、特にミミズは人間とも深い関係を持っている。ミミズを目にしたことのない人などおそらくいないだろう。ミミズは、すばやく逃げることもないし、有害でもないので、好奇心旺盛な幼い子供にはありがたい存在だ。さらに、魚釣りのえさとして使われることもあるし、有機物を分解することから肥料の製造に利用されることもあるし、タンパク質が豊富であるために食用にされることもある。そして、ミミズは土壌を改良し、自然環境にも大きな影響を与えている。蠕虫はまた、『ロミオとジュリエット』や『ハムレット』でも言及され、「ラムトンのワーム」などの民間伝承にもなり、近年では蠕虫の怪物の登場するホラー映画まで製作されている。その他、小説や詩、ポピュラーソング、童謡まで、蠕虫は人間のつくったさまざまな芸術形態に顔を出す。このように実は身近な存在である蠕虫と人間のあるべき未来をも展望する本書は、蠕虫に興味を持っていない人にも、いや、蠕虫におぞけをふるってしまう人にこそ、知られざる驚きをもたらしてくれることだろう。 |