原題 | Unearthing the Underworld |
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著者 | Ken McNamara |
ページ数 | 296 |
分野 | 地学/歴史/考古学 |
出版社 | Reaktion Books |
出版日 | 2023/06/01 |
ISBN | 978-1789147186 |
本文 | 岩石なんて退屈なもの、つまらないもの、なんてとんでもない。石や岩は、わたしたちが住んでいる世界の自然現象を記録してくれている大切な証拠だ。 地上では過去の事実は発見しにくいが、地中を掘り返して岩石を調べると、変化し続けている気候や環境などの真相をつかむことができる。古代の氷に覆われていた世界、荒れ狂う洪水、呼吸に適さない大気など、回想をかきたてることができる。そのために、わざわざ特別な岩や石を探し出す必要はない。ごく普通に、どこにでもありそうなものでも、地球の歴史を知るには十分である。 さらに、注目すべきことだが、岩や石をよく調べると、先史時代の生物の世界を知ることができる。周辺に存在した生物によって、影響を受けているからだ。例えば、生物の死体の残骸が付着していることもあれば、腐敗の進んだ古代の森林によって形成されたものもある。あるいは、菌類やバクテリア、ウィルスの活動によって、独自の特徴をもつ岩石になったものもある。何十億年にもわたって、まるで生命の脈動を伝えているかように、至る所に岩石は存在しているのだ。 地中にある岩石が、隠れてしまっている地球の事実を教えてくれる。そんな大切な「データ」をもっている岩石について、本書は興味深く説明をしている。 |