ブックレビュー
| 原題 | The Coach’s Way |
|---|---|
| 著者 | Eric Maisel |
| ページ数 | 288 |
| 分野 | 心理学、自己啓発 |
| 出版社 | New World Library |
| 出版日 | 2023/04/18 |
| ISBN | 978-1608688647 |
| 本文 | 一般に、企業内の人材育成の手法といえば、ティーチングというスタイルがとられている。ティーチングは、「教える側」と「教わる側」にわかれ、入社して間もない新入社員への指導など、教わる側の知識や経験が不足している場合に有効である。基本的な業務の流れやビジネスマナーを習得するのが、これにあたる。ただティーチングで教えられるのは、指導する側が持つ知識や技術、経験の範囲内に限られ、それ以上の学びを期待することはできない。 そこで注目を集めるようになったのがコーチングというアプローチである。コーチングでは、指導する側が質問によって相手の気持ちを引き出したり、その人の行動を支援したりすることに重きがおかれている。単に知識や技術を一方的に押し付けるのではなく、自分がすべき事について、その人が深く考える機会や環境を作り上げることが大切なのだ。近年ではコーチングの国際的な資格もつくられ、その具体的なメソッドについて学べる講座も数多く開設されている。近年は、パンデミックやIT活用これまで以上に進んだ背景もあり、ライフコーチ、フィットネス、子育て、ライティングなどさまざまな分野で「コーチング」需要も高まっている。コーチは2030年にかけて、今より25%ほど増加する見込みだ。 ただ「コーチング専門」の優れたテキストや指南書はまだまだ不足している。実際にコーチングをするためにはどのようなスキルがあればいいのか、悩んでしまう人も多いだろう。 コーチングで最も大切とされるのは、相手と向き合う姿勢、その場の状況に応じた適切な言葉をかけることだと著者は主張する。本書は40年以上にわたるコーチング経験を持つ著者が、そのノウハウを余すところなく解説し読者に伝授する。目標設定からクライアントへの接し方にいたるまで、優れたコーチングを行う上で欠かせない重要な考え方について学べる実践的なプログラムを提供する。実践的な構成で、各レッスンの最後にはエクササイズの日記や学びが記録できる。 現役のコーチはもちろんのこと、マネージャー、チームリーダー、指導者や教員など、「コーチ」と協働で組織のポテンシャルを引き出す立場にいる読者にとっても有用なリソースだ。 |
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