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原題 Shifting Shorelines
著者 Terry Helwig
ページ数 292
分野 思想哲学、心理学、スピリチュアル、自己啓発、エッセイ
出版社 Viva Editions
出版日 2022/10/12
ISBN 978-1632280725
本文 「人の命という贈り物は、とても貴いもので、一分一秒たりとも無駄にしないで欲しい。生きていることの喜びに目覚めよう」これが著者Terry Helwigの強いメッセージである。

Terryはバリア島に住み、大自然の中で海岸を散策し、潮の流れに人間の命、人生を結びつけて、その喜びに満ちた知恵を読者に紹介している。具体的には本書を「引き潮」、「停潮」、「満潮」の3つのセクションに分け、それぞれ人生における喪失、平静、充足の時を比喩的に表現する。「引き潮」は喪失と悲しみの時を、「停潮」は休息の柔らかな時間、つまりじっくり考える時間を、そして「満潮」は満ち足りた時間と感謝の気持ちに焦点を当てている。

潮の流れ(水面)と浜辺(陸地)との接点、それが「汀線(shoreline):なぎさの線」であり、絶え間なく変化する。つまり私たちの心である。各章の終わりには著者が苦しみと悩み多かった若いころの自分自身に、喜びみに満ちた人生の知恵を優しく解き明かす形で、読者に語りかけるのである。さあ、ではTerryのささやきを聞いてみよう。「自分の思考の力を疑うなと、私は若い頃の自分に言いたい。怒りや絶望、心配、後悔で思考を浪費してはいけない。後悔に費やさないで。その代わりに、夢と希望を自分の頭の中にしっかりと結び付けなさい。夢と希望は、何ヶ月も、何年も、あなたを空高く飛翔させ、その翼であなたを支えてくれますよ」。何度でも読みたくなる本。心がジーンとあたたまる一冊だ。