原題 | Attraction, Love, Sex |
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著者 | Simon LeVay |
ページ数 | 296 |
分野 | 脳、精神医学、生物学 |
出版社 | Columbia University Press |
出版日 | 2023/05/16 |
ISBN | 978-0231204507 |
本文 | こういうことを公然と言うのは少しはばかれるが、 「私たちが生きる上で、性欲は食欲に次ぐ大きな原動力である」 親密な関係を求めた末に、すてきな一生のパートナーと結ばれることもあれば、一夜限りの関係や不適切な関係をもってしまうこともあろう。以前と比べればオープンになったとはいえ、「性」に関するセンシティブな話は、日本ではまだタブー視されているかもしれない。一方で、タイトルに「sex」や「sexual」という単語が入った学術論文や書籍をGoogle Scholarで検索すると、2021年に発表されたものだけでも20万件を超え、「性」はホットな研究対象と言える。確かに、「性」にまつわる謎は多い。 「男性と性交しないで子孫を残せないの?」 「性行動の大部分が生殖と無関係なのはどうして?」 「性の対象が必ずしも異性でない訳は?」 「性的興奮を脳はどのようにして生み出すのか?」 「性的嗜好に障害が生まれる過程は?」 「ポルノやAV(アダルトビデオ)は有害か?」 「セックスと恋愛の関係は?」 本書では、著名な神経科学者のSimon LeVayが科学的な研究や調査を紹介しながら、こういった疑問の答えを時にはユーモアを交えて導き出していく。登場するのは、無性生殖もできる雌がいる巻貝をニュージーランドの湖で採取する生物学者、男性は空腹時と満腹時で女性の好みが変わることを見出した心理学者、チンギス・ハーンの暴力的な気質を探る遺伝学者、性行動のスイッチをオン、オフできるマウスを作った神経科学者、26万匹もの野ネズミを捕まえては放し続け、恋愛に関する新たな科学を切り開いた動物学者など、興味深い面々である。読み終わる頃には、「性」に関してこれまで抱いていた考えや偏見がきっと一変することだろう。 |