原題 | Curious Machines and Mighty Machines |
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著者 | Samuel J.M.M. Alberti |
ページ数 | 256 |
分野 | 機械工学、電気、電子工学、その他技術工学 |
出版社 | Reaktion Books |
出版日 | 2022/09/26 |
ISBN | 978-1789146394 |
本文 | 本書は「科学博物館とは何か」というシンプルな問いかけから始まる。科学博物館に勤める著者が、イギリスやドイツ、アメリカといった欧米の科学博物館を中心に、科学博物館の本質や起源、近年のトレンド、代表的な収蔵品やその収集方法、そして学芸員の仕事について等、科学博物館にまつわる内容を紹介していく。 科学博物館の展示品は多くの人が楽しめるものである同時に、日々複雑になる科学を紹介するものでなければならない。さらに歴史を伝えながらも現代の状況を伝えるものでなければならない。 科学博物館の展示物はどのようにそこにたどり着き、誰がどのように展示しているのだろうか。そしてそもそも科学博物館はいつ頃誕生したのだろうか。現代のような公共向けの施設ができたのは18世紀末、革命の真っただ中にあったフランス。労働階級の人々に学びの機会を与えようと様々な分野の機械や工具、図書などが整備されたのが始まりだ。その後産業革命の時代を迎え、労働者育成のために科学を展示する施設が広がり、19世紀には国が科学技術教育の重要性を認識し施設や大展示会に投資するようになる。 多くの来場者を魅了する科学博物館で実際に展示されている収蔵物はごく一部であり、残りの数万点という収蔵品は時に巨大な倉庫、そして時に廊下の片隅で保管されている。それは時々取り出され、フリーランス保存修復士の手で修理、メンテナンスされる。収蔵品は棚から棚、ときには他の都市や海外へと移動し期間展示されたり常設展示されたりする。だがそこを訪れる来館者の多くは、説明書きを一から読むことはない。そこで展示デザイナーは、動きのある展示方法や体験型展示など様々な方法を取り入れることで来館者の目を惹く展示を作り出す。 著者は、収蔵品を展示することで奴隷売買や人権、気候変動といった、人びとが普段目を逸らしがちな社会問題を取り上げることも、科学博物館が果たすべき大切な役割のひとつだと語る。 |