原題 | How to Think like a Philosopher |
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著者 | Julian Baggini |
ページ数 | 281 |
分野 | 思想、哲学 |
出版社 | Granta |
出版日 | 2023/04 |
本文 | 現代社会には、さまざまな形態のフェイクニュースがはびこっている。新型コロナウィルスのパンデミックと同時に、感染予防に関する真偽不明の情報が世界中に蔓延していった。医師や研究者の専門性の高い科学的知見から、荒唐無稽な都市伝説レベルの風説まで、大量の情報が押し寄せた。こうした事態はインフォデミックと呼ばれ、多くの人々を混乱におとしいれた。また2020年米大統領選挙では、得票に関する大規模な不正が行われたとする陰謀論が拡散したことも記憶に新しい。 こうした偽情報にだまされずに、世界でいま起きていることを正確に理解するにはどうすればよいのか。その答えは合理性をもった哲学的な思考法を身につけることだと著者は主張する。哲学思考について学べば、表面上の安易な事柄にだまされずに、物事の根底を成す「本質」を理解できるようになると著者は説く。本書では、一般的な問題解決法・政治経済・セルフケア・温暖化や紛争のような時事的問題等、幅広い具体例を示しながら、主に西洋の哲学思考を身につける12の原則について解説していく。 哲学ときくと、小難しく役に立たないというイメージを持つ人も少なくない。しかし本書で紹介された考え方や手法は、いますぐ日常生活のなかで実践できることばかりだ。これらを日頃から継続していくことで哲学思考が自然に習得できる。 社会構造が複雑さを増すにつれ、真に大切な部分を見極めるのが難しくなってきている。形式論や感情論に惑わされず、物事の本質を捉えられる力をつけるためにも、本書の説く「哲学的な思考法」は有用だ。 |