原題 | FEN, BOG & SWAMPS |
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著者 | Annie Proulx |
ページ数 | 208 |
分野 | 自然保護、環境問題 |
出版社 | Scribner |
出版日 | 2022/06/14 |
ISBN | 978-1982173357 |
本文 | 小説家としても著名なアニー・プルーが、環境保全に大きな役割を果たしている湿地帯の興味深い歴史を語り、湿地帯を破壊することで地球が受ける致命的なダメージについて警鐘を鳴らす。 自然環境に大きく貢献している湿地帯だが、その重大な役割は驚くほど知られていない。フェン(川など、鉱質土壌に接する水を源とする湿地で、水深は深く、葦などが生育する)、ボッグ(雨水など、鉱質土壌と接していない水を源とする湿地で、フェンより水深は浅く、ミズゴケなどが生育する)、スワンプ(木や茂みが多く生えた鉱物質涵養性湿原で、水深はフェンやボッグより浅い)という三種の湿地帯は、いずれも、二酸化炭素とメタンを吸収する泥炭を形成するという共通点を持っている。そしてこの泥炭のはたらきによって、これらの湿地帯は地球温暖化の抑制に大きな役割を果たしているのだ。本書では、この三種の湿地帯に一章ずつを当て、それぞれの特色について詳しく説明する。 プルーが扱う湿地帯は、16世紀イングランドの湿原から、ロシアのヴァシュガン流域の大湿地帯、南米パンタナルなど、世界各地にわたる。泥炭は、気の遠くなるような時間をかけて湿地帯で形成されてきたが、破壊しようと思えば一瞬のうちに失われてしまう。現在、この貴重な資源は急速に破壊され、地球環境は悪化の一途をたどっている。 今行動を起こさなければ、取り返しのつかないことになってしまう。地球温暖化を抑制するためには、泥炭を含む湿地帯を保護することで時間かせぎをするしかないのだ。 |