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原題 JD Salinger: A Life Raised High
著者 Kenneth Slawenski
ページ数 480ページ
分野 評伝
出版社 Pomona Books
出版日 2010/3/9
ISBN 978-1904590231
本文 いわずと知れた『ライ麦畑でつかまえて』の著者、J.D.サリンジャー。日本では村上春樹訳の『キャッチャー・イン・ザ・ライ』が記憶に新しいが、有名になることを嫌うかのような謎の隠遁生活と行動で、その人生は常に謎に包まれていた。

作家としてカリスマ的な存在となるも、出版社をはじめとする関係者との間で多くの対人トラブルに見舞われ、次第にコーニッシュの自宅にひきこもっていったサリンジャー。昨年は90歳にして、他人による自著の続編と謳われる『60 Years Later: Coming Through the Rye』の出版差し止めを訴えて裁判を続けていたという。

本書は、各作品の執筆時期と彼の人生とを照らし合わせながら、その実像に迫るだけでなく、つい先日の訃報にまつわる情報など、数々の未発浮フ事実も収録している。