原題 | QUARTERLIFE |
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著者 | Satya Doyle Byock |
ページ数 | 240 |
分野 | 心理学、自己啓発、カウンセリング |
出版社 | Random House |
出版日 | 2022/07/26 |
ISBN | 978-0525511663 |
本文 | 生きていると、幸福や成功に向かって進んでいたつもりが、道しるべがいきなり途切れてしまったり、安心して満ち足りた生活が送れる大人には到底たどり着けないと感じてしまいがちな年頃がある。そんなときは解決策を与えられたとしてもかえって混乱したりストレスが増すことになるだけだったりするものだ。そのような悩み多き時期のことを筆者は「クォーターライフ」と呼んでいる。その年代の人々のために、筆者は、内なる声に耳を傾けたり、安定への欲求と意義の探求とのバランスをとるための、新たな方法を教えてくれる。 「私はどうしちゃったのだろう」「もう行き詰ってしまった」「もうこうするしかないのか」心理療法の現場ではこうした患者の声をよく聞く。筆者は特に18歳から35歳の年齢の人たちと一対一で「クオーターライフ・カウンセリング」を行っている。患者の中には、大学を卒業し、仕事に就き、伴侶を迎え、家庭を持ち、今まで何ひとつ不自由なくやってきたのに、どこか満たされず、すっきりした気持ちにならず、幸福感がない人がたくさんいる。彼らはこれからすべきことにどう取り掛かればよいのかわからなかったり、示された道にあまり興味を示さず、その結果より所を見つけられないように感じている。 世間ではこうした感情をミレニアム世代やZ世代の特徴だと片づけてしまうが、筆者の見方は違う。このもがき苦しみは、思春期や青年期といった、人生の中でも特異な時期であるクォーターライフではごく自然に見られる発達の道のりの一部分なのだ。誰もが経験することなのだが、心理学や一般の文化では事実上見逃されていたにすぎない。 20年にわたりクォーターライフの人々のみならず、彼らを大事に思っている理解者や周囲の人々にも手を差し伸べてきた経験を持つ筆者は、この特別な時期についてだれよりも理解している。個人のストリーテリング、神話、ポップカルチャー、文学、歴史、さらにリルケからハリーポッターまで織り込みながら、クォーターライフの主要な2つのタイプやクォーターライフにおける発達上の4つの段階を紹介している。さらにケーススタディとして、クォーターライフの苦難の旅を描き、すぐに実践できるツールを提示し、読者自らが発達の段階にあることに気付き、これらのアドバイスを実践しやすい内容にしている。 |