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原題 LEAD TO WIN
著者 Carla A Harris
ページ数 256
分野 ビジネス、自己啓発、組織論
出版日 2022/09/13
ISBN 978-0593421680
本文 多くの人にとって、企業や団体における、一人の社員や職員という立場がキャリアの出発点になるだろう。そこでは仕事が割り当てられ、そのやり方もはっきり示される。仕事の内容を的確に理解し、実行すればよいだけだ。言い換えれば仕事を決めるのではなく、指示された通りに仕事をこなし、一定の結果を出せばそれで済む。報酬もその生み出したものに基づいて支払われるのが普通だ。

 やがて求められた成果を確実に生み出し、組織内での評価も上がってくると、リーダーの候補と目されるようになる。管理職の目はその人がリーダーとして適任かどうかという点に向けられる。仲間の中で指導権を発揮しているか。時機をとらえてうまくリソースを活用できているか。人間関係を構築できているか。リスクを冒すことにためらいはないか。こうした数々の評価をくぐりぬけて、やがてリーダーになっていくのだ。

 さて、リーダーとはどうふるまえばよいのだろう。多くの場合、リーダーになるまではその立場について調べたり学んだりする機会はあまりない。多くの人がそれまでの自分の経験をもとに、いわば手探りで試行錯誤しながらリーダーを務めているのが現状だろう。本書ではリーダーとして成功するために必要なスキルを基本的なものに絞って紹介する。

著者が金融の世界の意識の高いリーダーとして培った8つの宝、信頼性、信頼関係の構築、リーダーの養成力、透明性、多様性、包括性、革新性、発言力は実力と影響力を備えたリーダーになるためにはどこで働いていようとも身にまとい磨き上げていかなければならない資質である。また、仕事を管理するだけでよかった過去のリーダーと違い、現代のリーダーはミレニアム世代やZ世代とやっていくために人間関係構築の力量も問われることになる。さらにリーダーの力を削いでしまったり、損ねてしまうような欠点の例も挙げながら、革新的なリーダーになるための重要な特徴を探り出している。