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原題 Clean(ish)
著者 Gin Stephens
ページ数 432
分野 栄養学、化学、生物学、健康法、ダイエット、家庭医学
出版社 St. Martin's Griffin
出版日 2022/01/04
ISBN 978-1250824158
本文 前著で”Intermittent Fasting”(断続的断食)により、無理なく健康的な体を取り戻す方法を提唱した筆者が、今回は体を(まあまあ)清潔にすることを提案している。(おおむね)清潔なものを食べ、(だいたい)清潔な生活をし、生来の自浄作用を発動させるにはどうしたらよいだろうか。完璧でなくてもよい(そんなことは無理)。今すぐ全部変わらなくてもよい(大変だし長続きしない)。玉石混交の中をくぐり抜け、不安を乗り越え、(まあまあ)清潔になることからくる自由を手に入れるには何が必要なのだろう。小さな変化や理にかなった取り換えやシンプルな解決策を通じて毒素の堆積を減少させればよいのだ。

まずは食品と非食品の違いを知ろう。スーパーの棚には保存料や着色料、香味料、乳化剤などがたっぷり含まれた、食品らしきもの(これらを筆者は食品とは呼ばない!)がたくさん並んでいるのはみなさんご存じだろう。そしてそれが体に与える影響も。ところがトウモロコシや大豆や小麦が含まれているだけで、その食品が化学物質の汚染を受けていると考える人がどれだけいるだろうか。

食品だけではない。化粧品、一般的なパーソナルケア製品、肌に貼って使う経皮投与剤など、体に塗ったり貼ったりするモノからも毒素は皮膚を通して体内に侵入する。これらの製品の中に含まれている原材料は1万種類以上にも上り、安全検査を受けていないものも多いという。米当局もそのことに関してはあまり積極的な姿勢を見せていないと筆者は指摘している。

食品にしろ、ケア製品にしろ、一回の使用で摂取される量はわずかであるが、反永続的に続くといずれは許容量を超える日が来る。筆者は自分の子どもに起こった出来事を通じて、それを痛感した。異常な行動をとり始めた息子に対して、正しい食事を与え始めた結果、彼の行動はガラッと変化したのだ。必要なのは正しい、科学に基づいた知識だ。かといって、本書は堅苦しい専門書ではない。むしろ優しく、ときにはユーモアのある口調で、基礎的な知識と奥深い見識をかみ砕いて読者に伝えている。