原題 | 50 Ways to Cycle the World |
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著者 | Tristan Bogaard Belén Castelló |
ページ数 | 230 |
分野 | 自転車・旅行・人生観・風景 |
出版社 | Lannoo Publishers |
出版日 | 2021/06/25 |
ISBN | 978-2390251514 |
本文 | 世界中を自転車で旅行する、50組23か国75人のインタビュー集。個性の異なるユニークな旅の数々。 自転車の魅力は、たくさんある。風を切りながら自分の力で前進し、目的地や壮大な景色に到達したときの達成感は大きい。現地の人とのふれあいや景色を楽しみながら進むのに、遅くもなく早くもなくちょうど良い速さ。電気を使わず排気ガスを出さないので環境にやさしい。健康に良い。車が通行できないような細い道でも進むことができ、専用の装備があれば石の多いトレイルや雪道も進むことができる。乗ったままでは進めないような岩場等では自転車を担いで進むことができる。 そうした自転車の魅力に取りつかれ人々が、世界各地を自転車で旅する様子が、当時の写真と共にインタビュー形式で紹介されている。自転車の旅に駆り立てられる理由として、「自由」を皆が挙げる。ゆっくりとしたスピードで景色を満喫しながら走ることもできるし、スピードを出して距離を稼ぐこともできる。忙しい日常を離れてそうした自由に浸れるのは何ものに代えがたい魅力だ。本書では、様々な自転車旅行が登場する。期間は数日から大陸を横断する数年間まで、一人で旅したり誰かと旅したりペットと連れたり、ハネムーン旅行をしたり、タンデム式やタイヤのファットの自転車、竹で自作した自転車など、個性的な50の自転車旅行が紹介されている。雄大な景色の中を旅する様子や、現地の人々とのふれあいを満面の笑顔で楽しむサイクリストたちの写真が掲載されている。 もちろん、自転車者旅行にはたくさんの困難も待ち構えている。暑さ寒さ、雨や雪などの天候の影響を直接受けること、積載できる荷物に限りがあること、文化の異なる見知らぬ土地を旅行し夜はテント泊なので身の危険があること(特に女性の一人の場合)、途中でけがや病気になることがあること、子供やペットを置いて旅に出られないこと、数年に及ぶこともある長期間の旅行の資金や生活費をどう工面するか。本書に登場する旅人たちはそうした困難も彼らなりの対策や解決策で対応し、困難すら楽しむかのように旅を続けてきた。 彼らと幸せを共有できる一冊。そして、自転車旅行に出たいけれど少しためらっている人には、出発する一押しとなるきっかけとなるはずだ。 |