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原題 The Human-Centric Workplace
著者 Simone Fenton-Jarvis
ページ数 240
分野 自己啓発、ビジネス、人間関係
出版社 LID Publishing
出版日 2022/04/05
ISBN 978-1911671626
本文 人間らしくある、とは何か。たとえ職場であっても人間らしさを保ちたい、とはどういうことか。それは目的を持つということであり、人とのつながりを実感することである。しかし、一般的に会社や組織というものは従業員、組織を構成する各人が、都合や事情を含めた「個人の全て」を持ち込むことを歓迎しない。一見、組織として体を成すために必要にも思われるが、これは問題である。
なぜなら、組織の従業員や構成員がそれぞれに持っている素晴らしい自分らしさを発揮することができなければ、その人たちはその組織で最高のパフォーマンスを発揮できないからだ。

職場づくりやリーダーシップのあり方というものが、ほとんどの社会問題の根幹にあると言っても過言ではない。健康問題や、景気の良し悪し、不平等、そして環境問題まで、あらゆる問題の根幹に横たわっているのは、職場づくりの悪さや、出来の悪いリーダーシップである。

人間中心の職場づくりとは、組織の従業員や構成員に、個人にも組織を変える力があるのだと強く信じさせることである。そして従業員や構成員に、それぞれが持つ良い自分らしさを解放してもらう組織風土を醸成することである。このような職場づくりを作るために必要なのは、相応しい人間的なリーダーシップだ。ではどのようなものが相応しい人間的なリーダーシップなのだろうか。本書では、その「人間的なリーダーシップ」が具体的に解説される。

最終章には人を中心とした職場づくりのためのマニュアルがあり、それぞれの職場がどれだけ人間中心の職場となっているか、もしくはなっていないか、チェックリストで確認することもできる。