原題 | Asia's Trouble Spots |
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著者 | A. S. Bhalla |
ページ数 | 256 |
分野 | 政治、国際関係、アジア |
出版社 | Rowman & Littlefield |
出版日 | 2019/08/07 |
ISBN | 978-1786608369 |
本文 | 多様な民族、宗教、政治形態が混在し、紛争が絶えないアジア――なぜこの地域では紛争解決が実現されないのだろうか。長年アジアの諸問題に携わってきた著者は、その原因はリーダーシップの不足に求められると言う。紛争を解決するためには、妥協点を探りつつ、平和を実現しようとする強い意志を持つリーダーシップが絶対条件だが、現在はそれがあらゆるレベルにおいて欠けているのだ。 紛争解決においては、複数のリーダーシップが存在する。まず、問題を抱える国の指導者層。次に、それに敵対する勢力の交渉力。そして、紛争に介入して両者を仲介する国際社会だ。民主主義や人権といったリベラルな価値観が力を失った今、国連やアメリカを中心とする西洋先進国への信頼は揺らぎ、強いリーダーシップを発揮できない状況に陥っている。アルカイダやイスラム国など、複数の国にまたがるテロリスト集団の活動や、それを抑圧しようとする対テロ戦争が、さらに状況を複雑なものにしている。 本書では、リーダーシップを視座に据えて、混迷のアジアを象徴する七カ国、ミャンマー、インドネシア、フィリピン、タイ、スリランカ、中国における紛争問題を個別に取り上げ、各地域の政治状況を詳しく解説する。同時多発テロ以後、民族紛争、宗教紛争が最大の問題となりつつある現代世界において、アジア諸国の紛争問題の背景と問題点を知ることは、同じアジアの一員である日本人にとってきわめて意義深いことと言えるだろう。 |