原題 | THE WEAPONISATION OF EVERYTHING |
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著者 | Mark Galeotti |
ページ数 | 248 |
分野 | 国際政治、戦争 |
出版社 | Yale University Press |
出版日 | 2022/02/01 |
ISBN | 978-0300253443 |
本文 | ハイブリッド戦争、グレーゾーン戦争、そして超限戦――銃を撃ち、爆弾を投下する戦争の時代は終わった。ドローンによる攻撃さえ時代遅れだ。このような従来の戦争は、費用対効果が薄く、被害者が出るために国内の世論の後押しも得られなくなった。今や武力を使用しない戦争の時代となり、アメリカは経済制裁でヨーロッパにゆさぶりをかけ、中国は大金を費やして影響力を及ぼそうとする。現代の戦争は、宣戦布告も戦闘行為もなく、気づかないうちに開始されるが、永続的で終わりが見えない。世界は新たな戦争の時代に突入しているのだ。 本書では、越境犯罪の専門家マーク・ガレオッティが、偽情報の流布、スパイ活動、犯罪行為、破壊活動など、この戦争のさまざまな姿を包括的に示し、「あらゆるものが武器化」した新時代の戦争を活写する。この戦争では、戦争と平和の境界があいまいになり、我々の日常生活が浸食される。戦いに勝利したかどうかもはっきりとは判明せず、少し先の未来―明日どうなるか――でさえ予測できない。 気の滅入る未来像のように思われるかもしれないが、武力が容認されなくなったことで、少なくとも先進国にあっては、爆撃などによって直接的に命を奪われる可能性は少なくなっている。かつての「安定した」戦争の時代を懐かしむ必要はない。ガレオッティが言うように、新たな現実が提供してくれるチャンスを利用してこの時代を生き延び、適応する方法を探っていくべきなのだ。 |