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原題 DISTILLED
著者 Rob DeSalle、Ian Tattersall
ページ数 352
分野 歴史、食文化、お酒
出版社 Yale University Press
出版日 2022/05/24
ISBN 978-0300255157
本文 『ビールの自然誌』『ワインの自然誌』に続いて、分子系統学者のロブ・デサールと古生物学者のイアン・タッタサールの二人が、アルコール飲料をだしに、我々を興味深い歴史・文化の旅にいざなってくれる。第三弾、完結編の今回の題材は「蒸留酒」だ。

ビールやワインよりアルコール度数の高い蒸留酒は、凝縮されたエタノールのはたらきもあり、多種多様で繊細な味わいを持つ。本書の前半では、蒸留酒の歴史・文化を概観したうえで、博学の二人が、進化論、エコロジー、歴史学、霊長類学、分子生物学、生理学、神経生物学、化学、そして天体物理学まで駆使して、蒸留酒の成分、製造過程、そして酔ったときの感覚などについて考察していく。後半では、蒸留酒を種類別に取り上げ、まず、蒸留酒の「ビッグ6」、ブランデー、ウォッカ、テキーラ、ウイスキー、ジン、ラムについて考察する。続いて、シュナップスや白酒など他の蒸留酒や混合酒にも触れ、今後の蒸留酒のありかたにまで話を広げていく。多種多様な世界中の蒸留酒について触れる後半では、デサール、タッタサールだけでなく、世界中の研究者が寄稿し、それぞれの蒸留酒の歴史・文化を深掘りし、興味深い話題を提供してくれる。

本書は、蒸溜酒を愛する人はもちろん、歴史や文化一般に興味のある人にも、上質の蒸留酒をたしなんだときのような心地よい気分を味わわせてくれるに違いない。