原題 | COMPASSIONATE LEADERSHIP |
---|---|
著者 | Rasmus Hougaard |
ページ数 | 224 |
分野 | ビジネス、心理学、社会学 |
出版社 | Harvard Business Review Press |
出版日 | 2022/01/18 |
ISBN | 978-1647820732 |
本文 | リーダーはつらい。大変な時ほど大変な決断をしなくてはいけない。いやなフィードバックを返さなければならない。みんなをがっかりさせてしまうような難しい選択をしなくてはならない。時には解雇を申し渡すこともある。リーダーの責任上、つらい仕事も避けては通れないが、人間らしさを保ちつつ、部下の長所を引き出しながら進めるにはどうしたらよいか、常に悩みの種である。 そうしたリーダーになるためにどうしたらよいか。筆者は大規模な調査を行い、データを収集する。その結果わかったのはリーダーが知恵と思いやりを併せ持つことが大事だということだ。この2つは鳥の両翼のように切っても切り離せない。状況をしっかり把握する知恵がなければいくら思いやりがあっても、自分のとった行動が意図した通りに行かずかえってあだとなりかねない。知恵と思いやりのバランスを上手くとることができれば大変で困難を伴うことも人間らしいやり方でこなせるようになると論じている。 リーダーとして働く際、知恵と思いやりを持って取り組むためのマインドセットとして筆者は4技能のセットを提案している。かかわっている人、時と場所を同じくすること。居心地よさよりも勇気を優先すること。単刀直入にしたほうが速いということ。明瞭さとは優しさなのだと頭に入れておくこと。この4つのサイクルを繰り返すことによってチームの中の信頼感と安心感が増してくる。リーダーがきちんと自分の考えを口に出し、隠しごとをしないという事実が周囲のメンバーに明らかになれば、そこに信頼感が生まれ、不安が解消され、リーダーに見守られているという気持ちもわいてくるのだ。 |