原題 | Reimagining Collaboration |
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著者 | Phil Simon |
ページ数 | 286 |
分野 | コンピュータ・情報工学 |
出版社 | Motion Publishing |
出版日 | 2021/02/24 |
ISBN | 978-0982930281 |
本文 | 著者が教授を務める米アリゾナ州立大学(ASU)は、USニューズ&ワールドリポート誌の最も革新的な大学ランキングで一位に輝いたこともある。ところがそんな名門大学が、予期せぬ大混乱に見まわれる。 2019年12月、中国湖北省武漢市で原因不明の肺炎患者が初めて確認された。これに端を発する新型コロナウイルスの世界的大流行により、人々は感染防止の新たなライフスタイルを余儀なくされた。ASUは急遽すべての対面授業を中止し、教員にはSlackやZoomの使用を促した。ところが、そうしたツールに不慣れな多くの教員の反応は鈍かった。彼らは他にもっとやることがあると積極的には取りあわなかった。その結果、授業の質は著しく低下し、公正な成績評価すらもおぼつかない。こうした事態に、学費の返還を求め、提訴に踏み切る学生まであらわれ、大学内はひどく混乱した。 しかし数年前からいち早く、全授業でSlackを導入していた著者は違った。他学部の教員にも使用を推奨しながら、自身が、同じ苦境にあえぐ他大学のモデルになろうとも考えた。 すでにWeb会議アプリやコラボツールを導入している企業でも、その持ち味を活かせず、業務効率がe-mailやSkypeの域を出ていないことは多い。本書では、ICT(情報通信技術)のスペシャリストの著者がこれまでの業務改善ツールの歴史も踏まえながら、自身が三大コラボツールと位置づけるSlackとMicrosoft Teams、Zoomを駆使し、社内やチーム内のコミュニケーションや共同作業を円滑化するノウハウを紹介していく。 今回のパンデミックという予期せぬ事態により、これまで進めようとしてもなかなか進展しなかった企業のテレワークや学校でのオンライン授業の導入は大幅に進んだ。こうした流れは、感染が収束したポストコロナの時代にも継続するだろう。この先を見据えるビジネスパーソンにとって、本書は必読の一冊に仕上がっている。 |