原題 | Peak 40 |
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著者 | Marc Bubbs |
ページ数 | 240 |
分野 | 健康法、ダイエット、ライフスタイル |
出版社 | Chelsea Green Publishing |
出版日 | 2021/05/20 |
ISBN | 978-1645020738 |
本文 | スポーツの世界では、NFLのトム・ブレイディやテニスのロジャー・フェデラー、セリーナ・ウィリアムズなど、キャリアの後半にピークを迎える選手が少なくない。 プロのアスリートたちを栄養面で支えながら、自身も幼い子ども3人を抱え「嵐の中年期」まっただ中という著者が、40代で心身のベストを引き出すための食事、トレーニング、睡眠、休息、心の整え方を科学的な知見に基づいて解説する。 人生の幸福度は年齢とともにUカーブを描き、40代で最低になる。本書でまず紹介される国際調査の結果だ。負担が増す仕事、子育て、睡眠不足、心理的・経済的ストレス。 体重は増えやすくなり、気持ちもふさぎがちになる。そこから「40代で心身のピーク」を目指すと言っても、生活を劇的に変えたり、きつい運動を課したりする必要はないと筆者は言う。 普段の生活を少しずつ変え、習慣化することで大きな成果を得られる。例えば、「1週間のうち5日は夜8時以降に食べない」といった、ちょっとしたことだ。 健康状態や減量目標に応じた、きめ細かなアドバイスが特徴だ。例えば朝食を抜くのは、健康で活動的な人なら、日を選んで行えば体脂肪を燃焼しやすい身体につながるが、肥満ぎみの人には血糖コントロールが悪化して逆効果だと説く。大事なのは、栄養と運動、休息、メンタル全般について取り組むこと。 炭水化物はどんなタイミングで摂取すると体への負担が軽いか、肩や関節の痛みがあってもどんなトレーニングができるか、不安や気分の落ち込みにどう付き合うか、など中年世代の参考になりそうな内容を中心に、あらゆる科学的データを元に指導する。特定の食品や運動に特化した健康法や、脂肪を絶つといった極端な食事法とは一線を画す。 各章ではマラソンのポーラ・ラドクリフ、ゴルフのフィル・ミケルソン、NBAのカイル・ライリーら各界のスター選手たちが、けがや体重増加などによる不調を乗り越え、または出産を経て、さらに高みを目指す話が紹介される。いずれも生活習慣や食生活の見直し(詳細な内容説明はない)に地道に取り組んだ成果だとわかる。 即効性を求めず、6〜12ヶ月かけてピークを目指すという実用に徹したガイドだ。 |