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原題 Amplified: A Design History of the Electric Guitar
著者 Paul Atkinson
ページ数 272
分野 音楽/楽器/歴史
出版社 Reaktion Books
出版日 2021/1/28
ISBN 978-1789142747
本文 エレキギターはプロのみならず、アマチュア演奏者も多く、ラジオやテレビをつければ、日常でその音色を聴く機会が多い、世界中の人々から愛される楽器です。本書では、エレキギターの誕生からその制作を支える様々な技術にいたるまで、歴史の移り変わりにスポットを当てながらその魅力を伝えていきます。

エレキギターの基本的な形態は長らくほとんど変わっていません。数十年前の古いエレキギターであっても、最新のアンプにつなげて演奏できるほどです。しかし一方でエレキギター製作者は、よりよい音を奏でるために、様々な特性を持つ素材や制作技術を開発してきました。本書では、その模索の歴史を明らかにしています。

エレキギターは一般の人にもよく知れた楽器ですが、熱烈なファンでも実は誤解していることがたくさんあります。たとえば、多くの人が、世界初のエレキギターがギブソン・レス・ポールであると思っていますが、実はそうではありません。また、レス・ポールがギブソン社のためにギブソン・レス・ポールを自作したと思う人もいますが、これも違います。本書を読めば、こうした様々な誤解も解消されるはずです。

本書にはエレキギターのカラフルな写真が豊富に掲載されています。変わった形の個性的なエレキギターの数々は、眺めているだけでも読者を楽しませてくれます。