原題 | The Cost of Free Shipping: Amazon in the Global Economy |
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著者 | Edited by Jake Alimahomed-Wilson, Ellen Reese |
ページ数 | 320 |
分野 | 社会・経済 |
出版社 | Pluto Press |
出版日 | 2020/09/20 |
ISBN | 978-0745341484 |
本文 | アマゾンは地球上でもっとも強大な企業であり、そのCEOジェフ・ベゾスは史上最も巨額の富を有し、地球規模の感染症の流行の恩恵を受けた数少ない一人である。アマゾンの支配的立場は世界経済の地図そのものを塗り替えた。私たちは「アマゾン資本主義」の時代を生きているのだ。 「ワン・クリック」による迅速なコンシューマリズムと幅広い品ぞろえがアマゾンを世界のどこでも通じる名前に仕立て上げた。今ではアメリカの家庭の60%がアマゾンプライムを利用しているが、こうした利用者たちはこの大企業の監視の対象になっている。アマゾンを通した商品の購入やページの閲覧傾向はデータべースに蓄積され、商品の製造、販売、価格の設定、消費者への宣伝活動等に利用される。アマゾンはまた、世界で最大の物流業者だが、そこでは物流倉庫の労働者、配送ドライバー、ゴーストライターなどの労働者が監視の対象にされ、そのデータは労働搾取、管理、効率化、投資の決定などに利用されている。 本書はアマゾンの世界規模の成長とそれに伴って欧米やインドで広がっている反対の動きを追っている学者、労働者、ジャーナリスト、労働組合やコミュニティー組織による論文集である。アマゾンの成長戦略を徹底的にリサーチし、批判的な目で検証するだけでなく、アマゾン資本主義の成長とそれに対する抵抗の動きの広がりが経済的にも社会的にも、環境保護の観点からも重要性をはらんでいることが指摘されている。 アマゾン資本主義は資本主義固有の破壊的な側面をまざまざと示している。労働者搾取と非人間化。企業への優遇措置と脱税。極端の富の偏り。移民排斥、人種差別、性差別。それにたいしてアンチアマゾンの輪はヨーロッパに発し、今ではアメリカにもネットワークを広げている。経済的社会的正義、民主主義、環境正義など、様々なタイプの運動を網羅した連合が形成されつつある。 |