原題 | ASSASSINS’ DEEDS |
---|---|
著者 | John Withington |
ページ数 | 368 |
分野 | 歴史/社会/時事 |
出版社 | Reaktion Books |
出版日 | 2020/10/12 |
ISBN | 978-1789143515 |
本文 | 少なく見積もっても3000年前から権力を持った高名な人たちが暗殺者の手にかかるということがあった。この血なまぐさい行為を引き起こすのは個人的な野心や復讐心、怒りなどである。例えば、トルコのサルタンは自分の兄弟19人を絞殺したし、ローマのボディガードは十数名の皇帝を殺害した。最近では宗教的政治的狂信主義、革命、解放運動が新たな動機として現れ、さらに政府の関与も増えてきた。それに対し暗殺される側はあまりにも不注意である。アブラハム・リンカーンはボディガードが一杯飲みに行くのを許したそのすきに殺されてしまった。 ところで暗殺は割に合うのだろうか。そして暗殺者たちの末路は?暗殺の成否は?本書では暗殺の逸話や例証や統計の分析を列挙し、人の営みの中でも最も名うての蛮行について掘り下げ、そこにかかわる人々の興味深い人物像や独特の暗殺方法、思いもやらなかった結末の数々を披露している。歴史上の大転換を引き起こすきっかけになった暗殺もあれば、民衆の怒りを買い首謀者自身が国の立場を追われる結果になってしまったものもある。処刑されたりその場で自ら命を絶った暗殺者もいれば、英雄としてその肖像が紙幣に印刷された者もいる。 ヒトラーには国権を握る前に少なくとも7回、その後25回、暗殺の企てがあった。ムソリーニに対してはわずか7カ月の間に4回あった。これらのうち1回でも成功していたら、果たして世界は変わっていただろうか?ナポレオンにもレーニンにもビクトリア女王にも魔の手は忍び寄るが運命は彼らの味方だった。アンディ・ウォ―ホールは言う。 「今まで悪いことが何一つ身に降りかからなかったのは、ただそういう頃合いだったということだけなんだ。ちょうどよい頃合いにいるべきでない場所にいる。暗殺されるというのはそういうことなんだ。」 |