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原題 Goldengrove
著者 Francine Prose
ページ数 288ページ
分野 フィクション
出版社 HarperCollins
出版日 2009/9/8
ISBN 978-0066214115
本文 13歳のニコは、両親と高校を卒業したばかりの姉のマーガレットと田舎の街に住んでいる。母親ゆずりの音楽の才能を持つマーガレットは、奨学金を得て、この秋から、家を離れて、オベリン大学で音楽を勉強することになっている。

マーガレットにはアーロンというボーイフレンドがいる。ニコは、2人が親に隠れてデートしている間のアリバイのために何度となく一緒に出かけ、映画館で1人映画を観た。

マーガレットと過ごす最後の夏。姉妹は家の近くの湖でボートに乗った。

アーロンとケンカをした、と話すマーガレットに、ニコは、好奇心から「ねぇ、セックスってどんな感じ?」と質問をする。マーガレットは怒りともとれる複雑な表情を浮かべたかと思うと、「これを吸って」とジンジャー・ロジャースの台詞を真似、そして、次の瞬間、湖に飛び込んだ。

1人でボートを漕いで岸に戻ったニコは、先に泳いで戻っているはずのマーガレットを探す。だが、そこに彼女の姿はない。ダイバーたちの懸命の捜査も虚しく、ニコは最愛の姉を失った。そして、家族の心はバラバラになってしまう。

ショックから立ち直れないでいるニコの目の前に現れたのはアーロンだった。アーロンもまたマーガレットの死から立ち直れず苦しんでいたが、ニコに、一緒に悲しみを乗り越えよう、と提案する。こうして、アーロンとニコの密会が始まった……。

本作は、最近ソフィア・コッポラが映画化権を取得したことでも話題となり、「第2の『ヴァージン・スーサイズ』」との期待も高い。