原題 | Repair Revolution |
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著者 | John Wackman, Elizabeth Knight |
ページ数 | 320 |
分野 | 社会/生活/ライフスタイル |
出版社 | New World Library |
出版日 | 2020/10/27 |
ISBN | 978-1608686605 |
本文 | 本書は、環境問題やサステイナビリティに配慮することが当然の前提となりつつある現代社会において、我々一般市民が「修繕」を通じて持続可能な社会を作っていく方法を提示する、実践的な啓発書である。 我々が日々生活で使用するために購入している数々の製品、家電や洋服、時計、自転車……。昔は、これらのものが壊れたとき、自らの手で、あるいは同じ町に住む近所の名人に頼んで修繕して使うのが当たり前だった。修繕のノウハウも、人から人へ伝えていくものだった。しかし現代社会は大量消費社会となり、壊れたら直すのではなく、買い替える時代となった。このことが利便性と引き換えに、地球の資源をむしばみ、大量のごみを生むという新たな問題を生んでいる。効率化を追求した結果、修繕の文化は失われ、そのノウハウは特定の専門者だけが持つものなり、コミュニティー内での人と人とのつながりも希薄化した。 これらの問題に立ち向かうべく、筆者が提唱するのが「修繕カフェ」などを近所のボランティアで行う活動だ。修繕を通してごみを減らし、修繕のノウハウを一般市民で共有し、修繕を介して近所の人とのコミュニケーションを持つ、そして人間の根源的な、知りたいという欲求を満たす、娯楽の場として修繕の場を作っていくのだ。 本書では、実際に修繕カフェを開催している著者がその体験を披露、世界のどこででも修繕カフェを開催できるノウハウの提示、また、複雑な製品でも修繕できるよう、どのような道具を準備すべきか、どこでその道具や部品を調達すべきかなど、具体的な方法と知識が詰め込まれている。実際にお勧めの道具一覧やその購入場所リスト、人員集めのための広告のサンプルなどが付録としてついており、本書がいかに実践に重きを置いたものであるかがうかがえる。 近年、日本国内のあらゆる場所が毎年の天災に悩まされ、コロナで自粛生活を強いられている中、新しい暮らし方、生き方に目を向ける人が急激に増えている。動乱の現代の中で一人ひとりの人間の知恵と協力によって、よりよい社会を形成していくために、本書のような指南書は多くの読者が学ぶことのできるものであると感じる。 |